クィーンを翻訳する(2):「ボヘミアン狂詩曲」



<<プロローグ: 夢か現(うつつ)か?俺にとっちゃあ、そんなの関係ねぇ>

これって現実の人生?
それとも単なる空想?
生きる基盤が地滑りを起こし
俺はその土砂にすっぽりはまり込んでしまったのか?
いや、現実逃避は止めよう
目をしっかり開けて
空を見上げれば
真実が
見えてくる


Is this the real life?
Is this just fantasy?
Caught in a landslide
No escape from reality
Open your eyes
Look up to the skies and see

俺は単なる貧乏人のガキだ
でも同情は要らねぇ
なぜなら俺は
入って来たかと思えばあっと言う間に出て行っちまう銭みてぇな
根っからのお気楽野郎だからさ
ちょっと浮いたかと思えばまた沈む
風に吹かれる木の葉みてぇなもんよ
どっちに風が吹こうと
何一つとして
俺には関係ねぇ
そう、何にも関係ねぇ
俺様にとっては...


I'm just a poor boy
I need no sympathy
Because I'm easy come, easy go
Little high, little low
Any way the wind blows
Doesn't really matter to me
To me


<<第1部: 監獄で死刑執行を待つ「俺」>>


お母ちゃん
ボクね、人殺しちった
そいつの頭に拳銃グイッて押しつけてね
引き金カチッて引いたらさ
そいつガクッて死んじゃったの
お母ちゃん
ボクの人生始まったばかりなのに
ボクは思い切り突っ走った挙げ句
自分の人生を全て台無しにしちゃったんだ

Mama, just killed a man
Put a gun against his head
Pulled my trigger now he's dead
Mama, life had just begun
But now I've gone and thrown it all away


お母ちゃん
泣かせたくはなかったけど
ゴメンね、こんなことになっちった
ボクが明日から二度と帰ってこなかったとしても
これまで通りの生活を続けてよ
ボクがこの世にいなくなったって
まるでそんなの何にも関係ねぇ、みたいにさ...


Mama
Didn't mean to make you cry
If I'm not back again this time tomorrow
Carry on, carry on
As if nothing really matters


今となってはもう手遅れだ
遂に俺の番が来た!
背筋に悪寒が走り
体中を激痛が駆けめぐる


Too late, my time has come
Sends shivers down my spine
Body's aching all the time


さよなら、バイバイ、みんな、俺、行かなきゃなんない
あんたらみんなを後に残して、俺は真実と向かい合わなくちゃならない
お母ちゃん...
ボク死にたくないんだよ
時々、ボクみたいな奴は最初から生まれてこなきゃ良かったって思う...


Goodbye, everybody
I've got to go
Got to leave you all behind and face the truth
Mama
I don't want to die
I sometimes wish I'd never been born at all


<<第2部: 地獄(あるいはlimbo?)での審判>>

ふと気が付くと
俺の目には
男の小さな影法師が見えた
そいつはこう言った
「道化よ、道化、ファンダンゴを踊る気はあるか?」

I see a little silhouetto of a man
Scaramouch, Scaramouch
Will you do the Fandango?


するといきなり
雷鳴が轟き稲妻が閃いた
俺はそりゃあもう驚いたの何のって!
Thunderbolt and lightning
Very, very frightening me

(弁護人の声が響いた、「被告人の名は?」)
(俺は言った)ガリレオ
(弁護人が言う)「ガリレオ?」
(俺)ガリレオです
(弁護人)「だからガリレオ何だ?」
(俺)ガリレオ・フィガロです
(弁護人)「では、お前は貴族なのか?」

(Galileo) Galileo
(Galileo) Galileo
Galileo, figaro
Magnifico


(俺)いいえ、私は単なる貧乏人の小倅、誰からも愛されることのない者でございます

(弁護人)「皆さん、この者は単なる貧乏な家庭に生まれた哀れな少年にございます!
どうぞこの者の命をあの怪物から救ってやって下さいませ!」

(俺)私は単なるお気楽者でございます、貴方様方のお力で私を放免して下さいますか?

I'm just a poor boy and nobody loves me
(He's just a poor boy from a poor family
Spare him his life from this monstrosity)
Easy come, easy go, will you let me go

(権力者達の声)「アラーの名において、駄目だ!我々はお前を放免しない!」
(弁護人)「彼を放してやって下さい!」
(権力者達の声)「アラーの名において、我々はお前を放免しない!」
(弁護人)「彼を放してやって下さい!」
(権力者達の声)「アラーの名において、我々はお前を放免しない!」

(俺)そんな、俺を放して下さい!
(権力者達の声)「我々はお前を放免しない!」
(俺)俺を放せってんだよ!

(権力者達の声)「えぇい、駄目だ!駄目だ!駄目だったら駄目だ!駄目、駄目、駄目だ!」

Bismillah! No, we will not let you go (Let him go!) Bismillah! We will not let you go (Let hime go!) Bismillah! We will not let you go (Let me go!) Will not let you go (Let me go!) No, no, no, no, no, no, no

(俺)なんてこった! マンマ・ミーア(Mamma mia)!マンマ・ミーア!俺を放してくれよ! 俺が(イタリア語で)「Mamma mia(我が聖母マリアよ!=なんてこったい)」と叫ぶと なぜか 魔王ベルゼバブは俺のために悪魔を一匹用立ててくれた! この俺のために! この俺様のために!

Oh, mama mia, mama mia Mama mia, let me go Beelzebub has a devil put aside for me For me For me <<第3部: 魔王ベルゼバブから授かった悪魔の力を借りて地獄から脱出>> お前ら、俺様に向かって石を投げることができると思ったか? 俺様のツラに唾を吐きかけられるとでも思ったか? 俺様を××××することも、死ぬまで俺様を放っておくことも自由だと そう思ってたか? おい、姉ちゃん、冗談じゃねぇぞ そんなことはお前にはできっこねぇ 俺は逃げ出す 俺様は今すぐここから逃げ出すのさ! So you think you can stone me and spit in my eye? So you think you can love me and leave me to die? Oh, baby Can't do this to me, baby Just got to get out Just got to get right out of here <<エピローグ: すべてはどうでもいい、俺様にとっては...>> 重要なものなんて何もない すべてはどうでもいい 誰にだって解る... 何もかもがどうでもいい... 一切合切、何も関係ねぇんだ 俺様にとっては... ... どっちに風が吹こうと... Nothing really matters Anyone can see Nothing really matters Nothing really matters to me Any way the wind blows
最終更新:2016/08/29

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